サファリ・Pでは2016年3月に、第一回公演としてテネシー・ウィリアムズ作「欲望という名の電車」の上演を予定しておりましたが、このたび、演目を変更いたします事をお知らせいたします。「欲望という名の電車」の上演を期待してくださっていた皆様、大変申し訳ありません。以下に理由を記します。
2015年10月中旬に、とある仲介会社に上演権の問い合わせを始めました。その際簡易ではありますが企画書を送りまして、交渉が始まりました。企画書には男性4人の出演者である事などを記載しておりました。3ヶ月後の2016年1月中旬、先方より上演許可の書類が送られて参りました。そこには、「配役の通りの性別で上演する事」「テキストレジを行う際には事前に必ず知らせる事」という条件がありました。事前にWikipediaなどで、性別の変更は認められないという情報等は確認しておりましたが、交渉ができるものと考えておりました。しかし許可がおりるまでに3ヶ月を要し、その期間ほとんど先方と連絡が取れず、正式に条件を提示されたのが本番一ヶ月半前という事になってしまいました。
サファリ・Pでは既に、2015年12月より稽古を開始しており、2016年1月中旬の時点では既にテキストレジ等も行った状態で稽古を行っておりました。このままでは上演が出来ない事が分かった時点で女性キャスト配役の検討、配役の性別を変えないでテキストレジをする等様々な方法をシュミレーションしてみましたが、いずれも本番までの時間が非常に限られているという事もあって本来のテキストの良さを上手く伝えられる手段だとは考えられず、2015年2月6日、「欲望という名の電車」のテキストは一切使用しない事を決定いたしました。
私達は、テネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」のテキストに強く惹かれ、この作品を上演したいと考えておりましたが、同時に上演権についての考えが甘く、こういった事態を招いてしまいました事を深く反省しております。既にチラシの配布が始まっておりますが、可能な範囲で回収し改訂したものを配布し直す予定です。また、既にチケットをご購入頂いている皆様には、キャンセル、返金等につきまして個別に対応させて頂きたいと思います。
余談になりますが、ここまで数ヶ月間を要して「欲望という名の電車」を読み込み、解体し、分析してきたという事実は、今回上演する作品にとって無駄にはならない経験であったと考えています。テネシー・ウィリアムズの魅力的な台詞が使用できない事は非常に残念ですが、現在切り替えまして鋭意創作中です。沢山のお客様のご来場を心よりお待ちしております。
サファリ・P 山口茜