私の家族 12月21日

稽古中、座組最年少の昇良樹さんはよくいじられる。今日はプロンプの席に立派な椅子が勝手に置かれて、先輩を差し置いていい椅子に座る偉そうな若手俳優の図が演出された。そうしたパワハラ寸前のからかいを、昇さんはすべて爽やかな笑顔で受け止める。清々しいまでに邪気がない。しかし、「好青年」と単純にレッテルを貼ってしまうのがためらわれる。(いや、間違いなく好青年ではあるのだけれども。)白黒割り切れなさそうな不思議な底知れなさがある。きっと昇さんがあまりにも素直で(しかし流されずに物事を自分の基準で考える芯がある)、私とはかけ離れた人なので、掴み所がないと思ってしまうのかもしれない。

役者が数名不在ながらざっと通してみる。「(さらっと通してみると)いろいろな関係性がよく見えてくる」と山口さん。万全ではない稽古場でできることを探る。

文責:大貫