私の家族 12月17日

通し稽古をした後に、今日で京都に一旦帰ってしまう藤原さんのシーンを重点的にさらう。

藤原大介さんについて私が知っている二、三の事柄。
数多の修羅場をくぐり抜けて身についたのであろう、潔いが、抑制されたお酒の飲み方をする。じうちゃん(山口さんのお子さん)の相手が上手。稽古場でも飲み屋でも、場の空気を作ってくれる(決して自分を中心に場を回すというのではなく、慎ましやかに)。今回の現場では、誰よりも正確に台詞を覚えている。場が膠着しそうになったとき、山口さんのイメージを補完する的確な言葉を差し出してくれる。

藤原さんは今日の稽古で、人物の造形や関係性を際立たせるために非常に有効な提案をなさった。これからもっと作品は深まっていくはずだ。稽古後は山口さんと、演出助手の朴さんとミーティングを兼ねて定食屋に。テキスト、演出などの創作面からパンフ作成などの実務面まで話をする。『私の家族』とトリコ・Aへの朴さんの熱意に心動かされ、私ももっと山口さんと作品についての話をしてみようと思いを新たにした。

文責:大貫はなこ