私の家族 12月15日

今日の稽古は京都からいらしたスタッフさんやそのお子さんなどギャラリーが多数。普段とは違う眼差しが注がれる緊張感を子供たちのいとけない笑い声が和らげる絶妙な空気の中、稽古は進んだ。
今日は2場の終わりから4場の冒頭まで。山口さんは自身が書いた言葉の強度から逃れて、いかにフラットになれるかを試しているのかな、と感じた。自分の手で捉えた世界を、批評眼を持って眺めることができる作家は多くないように思う。しかし山口さんは、作家としての作品への解釈を演出する上では持ち出さない。挙措や間、口調などを指導するのみで、役の感情へは踏み込まない。「この人は今こう思っているんだよ」ではなく「この人は今こう見えるんだよ」と説明する。そして、作家として解釈を押し付けることはないけれども、演出家として” こう見せたい”という明確なビジョンはあるので、強い推進力で稽古場を牽引していく。
稽古後、今日は中田さんと長尾さんも交えて飲みに繰り出す。みなさんの演劇遍歴などを伺う。花金といえども森下の夜は早い。節度を持って23時にはお開きになり、明日への英気を養う。

文責:大貫