財産没収稽古2017.07.19

この日は、6ページを作る日でしたが、まずは5ページまで2回、通しをしました。そこで、「恋人には調査官が見えていないこと」がわかりづらい。「素敵な人形」というセリフが唐突に聞こえる。「でもシドニーは別よ」が意味するもの。「純金のネックレス」をてばなさなかった理由は何か。「誰?」と発語の仕方。などについて話し合いながら改善してゆきます。

その後、6ページを作りました。元々の案があったので、セリフの割り振りを変えるときもその解釈に従えばよく、スムーズに完成します。家の事情を姉妹で語ること、そして、恋人がここからいよいよ、劇世界に引きずり込まれていくこと。

さらに、「誰かが来た」と息をひそめるシーンについて、リアクションを考えます。この前に恵美ちゃんはアルヴァから調査官へと戻るのですが、前回作った時はそのタイミングで、3人がこの部屋から外側に出る、としていました。外側というのは、この家の外周のことです。

ここで、美術ミーティングに。外周があるかどうかを含めて、話し合います。夏目さん曰く、今作っている作品が、どこまで具象性にこだわっていて、どこから手放しているのかがわからない、とのこと。最初に言われた時はすっと意味がわからなかったので、夏目さんにいろいろと聞きだして、少しずつ、理解していきます。こうやって稽古に通ってくださって、意見をもらえるのはとてもありがたいことです。

夏目さんと話しているうち、自分の中に、大きなブレがあることに気がつきます。場当たり的に演出をつけることの限界というのでしょうか。大きなコンセプトは共有しているものの、細部をどう取り扱うかについてはやはり、演者たちは私に一任してくれているわけで、そこに私の手つきが出てしまいます。

夏目さんが帰られた後も、4人でしばらく、美術を中心とした話し合いを続けました。ドアがどこにあるかという問題から派生して、セリフにない部分を説明するための導入の動きについて検討します。いっそ、ドアをなくしてしまってはどうか、ということです。

この話し合いを通して、改めて、私が3人の演者に、どういった演技を求めているのか、を考えさせられました。