財産没収稽古2017.7.18

美術のミーティングの後、

5ページにあたる部分を作ります。6月中にまずは形を作る稽古をしたのですが、その時に如何にもこうにも形にならなかったページです。そもそも、このページは「テネシーの独白、創作」シーンとして初演で処理していたのですが、それもこれも、そのページを「抑揚のないもの」と感じていたから。

けれども3ページの段階で、「ずっと理想を語っていた妹、ウィリーに、姉、アルヴァが現実を突きつけることによってテネシーがハッとする」という流れを作ったおかげで、ウィリーは理想を、アルヴァは現実を語るというセリフわけをすることによってエッジを立たせることができるようになりました。

さらに、4ページ最後でテネシーの恋人が、テネシーとセックスするのを諦めて去ろうとしているところを、「沈みかけた船からネズミが逃げ出すみたい」と姉の恋人のことを語ったことで、立ち止まらざるをえなくなっている、としたので、5ページではいよいよ、テネシーの劇世界に入り込んでいく、という変化もつけることができます。

5ページが停滞していたのは、そこまでの流れが作れていたかったからだということがわかります。

また、「ぶつかりっこ」という難題もこのページは抱えていました。幼い女の子が、男の子とじゃれ合おうとするのですが、実際にそれをやるのは高杉さん。これが、何をやっても、よくわからない。成熟した男性が、ウィリーの真似をしているのですが、そのことがお客さんに伝わるとも思えない以上、どうしても本人がそれをやっているように見えます。セリフが曖昧なので、目的が、見えないのです。

そこで、まっちゃんが動きを遮ってセリフを発することで動きをほとんど見せない、ということに落ち着きました。ここは、他の男にもやってたことを俺にもやってくれよ、と言い出す魅力的なシーン。さらに面白いシーンになりました。