財産没収稽古2017.07.15

13日の稽古は、山口がお休みだったため、出演者3人でやっていただいたことをまず、聞き取ります。お三方は、オープニングにあるトルソーと踊るシーンを作ってくれていました。それを踏まえて、火曜日に話し合ったことを、実際動きに反映させていきます。

二人がセックスをするためにこの小屋にやってきた、という前提にしたのですが、二人がじゃれあって、この小屋にやってくる、という最初の「イメージ」がとても恥ずかしいと私が伝えます。つまり「演技をする」ということに対する恥ずかしさでしょうか。これを、押し殺さずに机の上に並べて議論したい、と考えました。例えば、高杉氏は長いこと俳優をやっているので、最初にその恥ずかしさを押し殺して演技をしても、本番になるとそれを成立させる力があります。でも、まっちゃんや恵美ちゃんにはそれがありません。そしてこの一ヶ月でそれを習得できるとも考えられない。

ならば、俳優なら、恥ずかしいなんていうんじゃない、という感じでそれっぽい演技を強要するのではなく、その恥ずかしさを克服できる動きとモチベーションを、細かく指示していけないか。ということを提案します。具体的には「出てきて服を脱ぐ」とか「カバンと瓶を取り上げて椅子の上に置く」とか「5秒見つめて近づく」とかそういうことをお願いし、それ以外のことはしなくてよいことにします。

筋を通していくと、またセリフの割り振りが変わっていきます。この部屋の電気をつける理由は何か。セックスをしたいならつけないほうがいい。そもそも知らない人の家に忍び込んでるんだからつけるわけがない。それを乗り越えて電気をつける理由は何か。

それから、小道具が実際にないと意味が伝わらないセリフ、に関しても精査してゆきます。この台本にはそういうのが結構多いのです。しかし台本の指示通り小道具を用意してしまうとだまし絵的な役の組み替えに差し障りがあるので、ほとんど別のものに置き換えている手前、意味が通じにくいセリフがたくさんあります。それをなんとなく言わずに、しっかりわかるように置き換えていく作業です。

最後に出来たところまで通しをしましたが、オープニングに何度もあった「森に分け入る」感が1回になってきました。私は細かいところばかり見て前に進めない性格なので、高杉氏が演出助手の下野くんと共に、通しの日を設定することを提案してくれます。そうそう。通しをせねばいけません。一週間後に設定し、それまでに最後まで作ることになりました。

この日は美術の夏目氏が美術の素材となるものを持ってきてくださいました。

稽古、楽しいです。子供の頃に兄弟といとこ5人で毎日遊んでた楽しさを思い出す日々です。