財産没収稽古2017.7.12

下野くんが、手作りクーラーと扇風機を持ってきてくれました。外の暑さも少しマシだったので、部屋の中がいい感じに。本当に、助かります。

今日の稽古では、前半「発語」のことを中心に話し合いました。今回の座組は同じ訓練を何年も続けてきたメンバーがいるわけではないので、身体能力と同じように、発語の能力も全然違います。特にえみちゃんは普段、言葉を発するパフォーマンスをしていないこともあって、まず彼女の発語について、いろいろとアプローチします。

もしかすると、彼女の引っかかっていること、あるいは彼女の発語そのものに、宝が隠れていることもあるので、話し合いながら進めます。今、他人に聞こえているイメージを伝え、どこまで彼女が自由自在にその発語を変化させることができるのか可動域の確認をし、実際にヴォイストレーニングを一つだけやってみてもらって、声を喉で出さずに丹田を使って出すということを感じてもらいました。

高杉さんがえみちゃんの真似をしたり、えみちゃんが高杉さんの真似をしたり、まっちゃんがそこに入ったり、いろいろ試しているうちに、「名詞だけは恵美ちゃんの喋り方で」「それ以外は名詞より早いテンポで」喋るという方法にトライしてもらいます。

それから実際に立ってセリフを発してみると、当然のごとく声が出てこなかったりします。

あと一ヶ月で出来ることを見極めながら、できるだけ発語を振り付けと同じように稽古できたら、と思っています。

 

 

 

それから、先日やった1ページを返しました。

そこで、やはり高杉さんがトルソーから恵美ちゃんに話す相手を変えるタイミングについて、再考します。部屋の中にあったトルソーを見ているうちに姉のことを思い出し、その姉がしゃべり出す、ということにしたいのですが、そのタイミングと方法がまだベストではない感じ。セリフを言うタイミングを変えたり、目線や転がり方などの変更でどう見えるか、検証していきます。

そしてそこから、まっちゃんの居方について、話が及びます。これが面白かった。まっちゃんは恋人を追いかけてきた男、なのですが、ざっくりとした目的は6月中の稽古ではっきりしたものの、最初のページでは行動に一貫性がない状態でした。テネシーと「ずっと付き合ってきたけどもう別れたいと思っている相手」ぐらいに考えていたのですが・・・来てすぐにズボンを下ろすが、拒否されたので、テネシーをここから連れて帰ろうとし、それも拒否されたので無理やり襲おうとする。。。そしてその後彼は「フランク・ウォーターズが言ってたけどね・・・君は彼の前で服を脱いで踊って見せたんだって?・・・どうして僕にもしてくれないんだい?・・・君がフランク・ウォーターズにしてやったことさ」(財産没収のセリフ)というのです。

改めて、このセリフにフォーカスすると、まっちゃんと高杉さんはまだ、性的な関係を結んでいないのではないか。ということは出会ったばかり、これからどういう手続を踏んで二人が深い関係になっていくのか、ワクワクドキドキしているはずなのでは。であれば、この家に来たのももしかして二人は、イチャイチャするためだったのかもしれない。

創作をしに来たが、セックスをしたがる恋人に邪魔される話ではなく、セックスをしに来たが創作意欲を掻き立てられ、恋人に去られる、という話。

先日は恵美ちゃんが「亡霊」であることがはっきりし、次に高杉さんとまっちゃんの関係が刷新されました。いろんなことが整理されていき、それに伴ってセリフにも意味が出てきます。もっともっと稽古がしたい、と思いながら、この日は終了しました。