財産没収稽古2017.7.11

今日は短い時間の稽古の日。

美術の夏目さんが来てくださったので、まずは通し。6月までにできた下地をお見せします。演出助手の下野くんも今日から合流です。嬉しいです。

2週間ほど経っているので、忘れているところもありながら、まずまず通りました。通した中で、「森へ分け入る入り口」感のある箇所が3箇所もあること。やはり5ページの始末がついていないこと、作ったダンスをどのように反映させていくか、などが課題となって見えてきました。そして発語の問題も。

残りの時間、まずは1ページ目をじっくり当たっていきます。このページのセリフにある「貯水槽」が何なのかが気になる、と高杉さん。セリフを台本どおりのストーリーでなく、こちらで掘り下げた設定に当てはめていくので、簡単に馴染んでくれないのは当然ですが、だからと言って誤魔化さないというのが今回の再演の楽しみ。

正直ベリーホットな稽古場で、回らぬ頭を回転させます。ちょっと調べてみると、貯水槽、当時のアメリカでの感染症の原因の一つでもあったそうです。菌が繁殖してしまう格好の場所。元々ある「お姉さんが肺病で死んでいる」という設定がにわかに浮かび上がってきます。

命も源でもある貯水槽に、繁殖した菌のせいで、死にゆく人々。初演の時もなんとなく、貯水槽には死体が浮かんでいるというイメージを持っていました。

そこで、貯水槽に関わるセリフはすべて、恵美ちゃんが言うことにして、つまり、えみちゃん演じる姉=死者が言うセリフとして解決をつけ、1ページを流してみると、すっきり、面白く分かりやすくなりました。トルソーとえみちゃんの倒れる角度、まっちゃんが高杉さんに声をかけるタイミングなど、細かい調整をしながら何度か通します。手応えのある稽古でした。