通し明けの、稽古です。
見学に、長谷川寧さんが来てくださいました。
この日は通しをしてみて、気になったところを添削していく日となりました。
まずは、達也さんの紹介です。
この芝居では、5人の人物のことを、紹介していくというルールで芝居が紡がれていきます。
4人まで紹介を終えて、一人残った達矢さん。
実はすでに、紹介されていると捉えることもできるのですが、されていないとも言える、ということで、テキストを書いてきたのです。
モチーフを帰還兵に絞り、達矢さんを中心に据えて、紹介に入りました。
しかし、なんとなく、しっくりきません。
保留にして次へ。
ラストシーンです。
ラストシーンは、足音だけでシーンを紡いでみようということになっています。このシーンは作るのが楽しみで、やっとここまで来たなあ、と感慨もひとしおです。
でも、通しを経て、果たしてここまで、そのシーンが作れるほどに物語が積み上がってきていただろうか、という疑問が高杉さんから上がり、私の違和感もそこにあると気がついたので、触らずに次へ。
おばあちゃんの家の説明のシーンです。
双子のダンスが完璧なユニゾンでないことについて、ありかなしかを議論します。
というのも、ラストで双子がまた踊ってはどうかという提案が出たからです。
その時に二人のダンスがずれていくのはどうだろうか。
国境を越えるものと越えないもの。
そういう風に分けてみては。
しかし、厳密なユニゾンをしたからといって、それを双子であると言ってしまうのも、乱暴といえば乱暴な解釈です。
ダンス自体はそのまま行こうということになりました。
また、そのシーンでは台詞を一言追加したり、動きの描写がうまくいってないところに関して改善を加えました。
そして冒頭の、まっちゃんの紹介シーンに戻ります。
今回の芝居のキモ、サファリの芝居の本質的な部分に触る稽古です。
セリフに変更を加え、動きに変更を加え、手を替え品を替えて試していきます。
まっちゃんから、「インターステラーみたいにしてはどうか」という提案。
目の前にいる二人が、実は次元の違うところにいる、というような。
インターステラーは私も大好きなので、嬉々としてその案に乗ってみましたが、面白くないエンタメみたいになってしまいました。ここで高杉氏がいつもの力を発揮。細かい修正を少しずつ加えていくことで、そのやすいエンタメ感がどんどん消えていきいます。
私って、本当に、0か100かで動いてしまうタイプ。
でもすでに作ったものから、1足したり、3引いたりして、そういうマイナーチェンジで思うような結果を得られるのなら、その方が実はずっと建設的なんです。それを学んでいます。
稽古の後は、高杉氏と共にラストシーンを詰めるミーティングを行いました。
「どうする!?」で始まったミーティングも、素晴らしいアイディア出しで終了しました。
立ち上げることに、ワクワクします。