熱って気持ちいわ!

先日私が人生で初ぐらいの高熱を出した時、すごく気持ちが良かったので、

後で母に「熱って気持ちいなあ」というと、

「アホか、熱なんかでえへん方がいいんや」と返された。

私としてはこれまでの人生ずっと、熱の出ない身体のせいでしんどさがダラダラと続くタイプで辛かったので、産後、こうやって一気に熱が上がり、下がり、回復するというメリハリのある身体になってすごく嬉しかったんやけど、母としては、熱が出ないイコール強い、というイメージがあるらしい。

昔の私なら、そこで、「えー、お母さん、知らんの?熱は出た方がいいねんで?」というところなのだが、ふと思いとどまった。

なぜなら母が続けてこう言ったからである。

「私、お母ちゃんに感謝したもん。若い頃は細い体が良いって思ってたけど、年取ってくると、丈夫なんが一番やなって。丈夫に産んでくれてありがとうって」

確かに、丈夫には産んでもらった、私も。
骨なんか折れたことないし。
大病もしないし。

せやねんな。熱は出えへんけど、確かに丈夫やねんな。

ここはひとつ、熱は出た方が丈夫な体なのだ、という事実を母に押し付けるよりも、黙ってニコニコしてみよう、と思った。母は、マジでおばあちゃんに感謝してるし。

どっちが正しいか、よりも、本人がありがとうって思ってる方がみんな幸せやな。
私みたいに「なんで熱のでえへん体に産んだんや!」と恨みがましく思ってるより、たぶん、ずっと。