乳苦しい

縁あって、オスカーワイルドとミヒャエル・エンデを読む機会があり、共通点が多くて驚く毎日です。同時に我が子が初めての風邪をひき、私は夫とともに風邪をひきながらも5日間、鼻水に溺れる息子を看病していました。24時間体制で。

ようやく息子の鼻の中の嵐が過ぎ去ったようで、静かな夜が再来しました。今は激しく咳こんでも起きる気配がありません。というかじうちゃん、成長しました。当初ギャン泣きだったハナミズトッテで鼻水を吸い上げるという行為に見舞われても、今や笑みさえ浮かべます、悟りを開いたようです。

寝かしつけのために添い乳を30分ぐらいして眠りに落ちたのを見届け、そっと体を離して固まった体をほぐすべく伸びをしたあと振り返ったらじうちゃんも伸びをして微笑んでたり(寝てくれ)、乳をやっている最中に夫が通ると首を動かして夫の動きを追ったり(飲んでくれ)、とにかくすごーく成長しました。

そんな中、いよいよ仕事に復帰し、週二回、大学で授業をしてきました。
下世話な話で申し訳ないですが、お乳のサイズが3カップ上がり、ちょっと大変なんです。昔から胸なんていらない、細い体が欲しい、と思い続けてきた私ですが、さらにデカなり、ある程度の服はパッツンパッツンになってしまいました。さらにそれが何時間も放置されるとカチカチになります。非常に大変です。体に息子の食料をため込んだまま仕事をするのは、ほんと、大変です。

トイレでシュコシュコ、搾乳する邪魔くささといったら。

でもまあ、眉をひそめる方もいらっしゃるのは重々承知の上で、申し上げますが、子を産み、三ヶ月休んだ後仕事に出れて、私は幸せです。離れるのはとても辛いけど(気持ち的にも、乳的にも)、私以外の人に見てもらうという経験をさせていただけてラッキーです。

友達に聞いたのですが、アフリカではお母さんが野良仕事に出るときは、仕事に出ないママ友に子供を預け、乳まで飲ませてもらうそうです。ミルクじゃありません。他人様のお乳を吸わせてもらうそうです。

ここは日本ですが、本来、子供はみんなで育てるもの、という感覚が母には備わっているそうで、自分以外の人が育児に参加してくれることが精神安定につながるんですね。わかる〜って感じです。

さすがに他人様のお乳を吸わせてもらうわけにはいかぬ凡人かつ息子の食料そのものとしては、息子から離れるのが大変心苦しいならぬ乳苦しいのですが、ここはひとつ、お互いに慣れていくしかありません。今夜も搾乳して頑張りたいと思います。

で、オスカーワイルドです。

ここ数年、デラシネラさんに関わらせてもらう時には大抵、原作もので、その度に昔の作家に触れる機会をいただいており、その蜜の味を知っています。

オスカーワイルドはデラシネラさんではありませんが、今、絶賛執筆中です。まだ全然光明は見えておりませんが、作業そのものはとても面白いです。

なんとか9月中に仕上げ、10月には東京でのオーディション&ワークショップ、そして悪童日記の脚本執筆開始というミッションもあります。じうちゃんに風邪をひかれたらひとたまりもない脆弱な私めですが、なんとか精神的にはズリバイで頑張りたいと思います!(じうちゃんは寝返りもまだまだです!)