月別アーカイブ: 2015年9月

アイホールの鼎談記事に関しての追記

アイホールのウェブサイト上に、これからアイホールに登場する三劇団の鼎談の様子が掲載されています。
こちら

この記事を読んだ、ドラマドクターしてくださっている胡桃澤さんが、「山口さんは境界性人格障害じゃないですよ」「そもそも境界性人格障害って言葉はもう誰も使いません」とおっしゃいました。(胡桃澤さんは劇作家でありながら精神科医でもあります)

医者の理解を超えた思考や行動を起こす人の事を、そうやって名付けただけであって、名付けた事による弊害もあり、現在はそういう風なカテゴライズを避けているとの事。

なるほど。
ネット社会ってやっぱ弊害もありますよね。
すぐにこういうの調べられちゃうから、私みたいにすぐに見つけて名付けてしまう。

という訳で訂正です。アイホールの鼎談はあのままですが、合わせてこのページ御読み頂けると幸いです。

胡桃澤さんのおっしゃるように、今の私は、境界性人格障害の症例のようなものに全く当てはまりません。でも20代の時は、全部じゃないけど所々、「これ私や」と思う部分がありました。

特に強かったのは、常々襲いかかって来る「空虚感」歯止めの利かない「自己を損なう行為」「見捨てられ不安」そして「すぐに感情的になる」という部分もそうかも。

空虚感を埋める為に手っ取り早く過食をしたりして、身体が辛くなり感情的になり、でも去られる事に極度の恐怖を抱き、その為に自分からさよならをする、離れて行く、なんてしょっちゅうでした(人に去られる事が恐いから自分から去るってむちゃくちゃやで)。

でも今はそう言う部分がほとんどありません。

だから私も、「私は昔から健全です」と言いたいし、言ったって分からない人には分からないままで信じてもらえると思うんだけど、その方がかっこいいいしなんかすっきりしているし、でも敢えてこういう風に公の場で伝えるには理由があります。同じ生きづらさを感じている人達に、こんなんでもなんとかやっていけるんだよ、と伝えたいんです。疾患を言い訳にするなという激励もこめています。

今書いている「つきのないよる」はまさにこういう自分が一歩間違えて犯罪を犯していたかもしれないという想像から作っています。実際には犯さず、可能性すらなかったかもしれない。でも、この事を書きたいと思った原因になった。この作品は、私の生きづらさの記憶なんです。

という訳でああいった鼎談となりました。

ちなみに私に一番効果があったのは、賞を穫る事でも、台本を書き上げる事でも白馬に乗った王子様に出逢う事でもなく、糖分を控える事です。別にご飯は食べていいし、甘いものも時には美味しいです。

だけど、糖分だけの食事が3食続いたりするのだけは避けた方が良いわ。うどん、パン、おにぎり、とか。で合間にバナナ食べたりアイスクリーム食べたりとか。あと野菜ジュースもヤバい。カロリー計算して大丈夫と思っててもほとんどが糖分だと逆効果というね。(特に液状の糖分が一番キツい気がします。その次が単糖(果物とか))

これを避けるようになってから、精神がものすごーーく落ち着くようになりました。常々困っていた日中の殺人的な眠気が全く無くなり、歩きやすくなったし、夜まで身体が持つようになった。あと、18時以降の食事もなるべく避けると睡眠で疲れがとれるようになりました。

気持ちを気持ちでなんとかするのは絶対無理。
気持ちって身体。
身体って食事や環境や、気持ちに影響される。
全ては繋がってますね。

今苦しい人が、癒されますようにと、いつも願ってます。私もしんどかったからー。

市場珈琲にて

よし子ちゃんとエコちゃんとお茶。

小劇場で細々やってる私にとっては鬼のようなロングラン(@劇団☆新感線)を終えたよし子ちゃんと、
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お母さんと音楽家を兼ねてこれまた私には想像もつかない状態でフル稼働しているエコちゃんと、
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ほんとに良心的な市場珈琲でのんびり、色々お話しました。
市場珈琲は、前も言うたかもしれんけど、伊丹アイホールから近いカフェで、ただでえさえ飲み物が安いのに、近くの市場で売ってる食べ物すべて持ち込み可なんです。

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この日はよし子ちゃんが市場を散策して「すっぱくはない。すっぱくないけど美味しくないわ」と言われたみかんを買って来てくれました。なんで買うねんと思ったけど、意外と美味しかった。

次の「つきのないよる」も、笑いの絶えない現場になったらええなあ、と、別れ際によし子ちゃんが言ってくれて、嬉しかった。エコちゃんがしどうくん(息子)の話をしてくれて、幸せになりました。

その二日後、今度は美術の五木さんと、同じ市場珈琲で打ち合わせ。
前半は美術のプランで話し、後半は子育ての話。

思えば20代の頃、丸井茂樹氏に五木さんを紹介してもらってからの付き合い。あれから10年強が過ぎました。五木さんは小顔で細くて賢くて、私とはほど遠いと思えるような人だったけど、付き合って行くうち、意外と共通点が見つかったりしておもしろいなあとしみじみ思ってます。

打ち合わせの終わった夜に、台本読んでポロポロ泣いた、とメールをもらって、もうそれだけで全ての苦労が報われてしまいました。もっともっと、良くなるように頑張りたいと思いました。

つきのないよるの準備、着々と進んでいる、はずです!

台本を書くという行為

台本ラストスパートが続いている。
着手する前に、雑念整理。

普段雑念にまみれて生活してても違和感ないくせに、
集中しないといけない場面になると突然、雑念が「整理しろや」と顔を出して、
その整理にかこつけて集中する事から少しでも逃げようとする。

雑念が落ち着いたら今度は、
自分が何の為にこんな事をしているのかを考えたくなる。

私にとって台本を書くという行為は、当然だがお金稼ぎではなく、自分を癒す為の行為だ。同時に世界と繋がる行為でもあるし、自分を鍛える行為でもある。

上の三つは全部、今、思いつきで書いた。

あー
やるか。

「他人(初期化する場合)」

京大の学生劇団、ケッペキの「他人(初期化する場合)」を観に行って来た。

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パンフが眼鏡ケースになってて感動(なんでかは、戯曲読まないと分からないんだけど、読んでも分からないかも)。

上演が始まった瞬間、自分の自意識の塊のセリフに体温が急上昇して汗がダラダラ出て来た。
若書きってこういう事かと思った。

だけど時間がすすむに連れて、一生懸命このぐっちゃぐちゃの戯曲に向き合ってくれた演出と俳優とスタッフの皆さんを思って感動した。ていうか、上演してくれるだけでも嬉しいのに、子供でもおかしくないほどの若い人たちが、(きっと)若さと時間と人を使ってけっこうな小道具や美術や衣装を作ってくれてて、そのせいか私が演出したよりだいぶ分かりやすくなってて、それってほんとに、私にとっては奇跡だった。

上演した当時、お客さんは????だったし、
人気も全然なかったしね。
戯曲賞取った時にとある演劇関係者の人にびっくりした顔で「京都のどこで演劇したはるんですか」と聞いてこられたぐらい話題にならなかったし。

それが2015年の時点で若者である彼らに目にとめてもらって、上演してもらった事が、嬉しい。

それにしても、あのときの私にとっては、これが至上命題だったんよな、と思い出した。あのときほんとに、私の脳みそはあの戯曲ぐらい大混乱やったんや。

傷つけるという方法でしか人を愛せないという事、
傷つけられないと愛されている事を実感できない事。

私の帰る所はここじゃないという気持ちとか、
誰かの肌のぬくもりばかり追い求めていた事とか。

恥ずかしいが。

それを「間違い」とか「病気」とか「犯罪」とかカテゴライズする前に、
私は戯曲にしたかったんやな。

10年ぶりぐらいに自分の戯曲に立ち返る事ができたのもありがたく、良い機会だった。

で、若い頃から今に至るまで、私のテーマが一貫している事も発見した。

次に進む為の良いカンフル剤になりました。
本当にありがとう。

超個人的には、桃レンジャーの人形やってた子の右手がツボでした。面白くて過呼吸になるかと思った。

帰りに、「他人〜」の初演も再演も出てくれてた岩田由紀ちゃんの娘ちゃんに会いに行く。由紀ちゃんも一緒に観てたんやけど、私らのときより分かりやすかったなあ、と笑顔でした。

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可愛かったー。おおきなってた。子供ってあっという間やなほんまに。
わたしは、台本を、書くぞ。

シニア劇団恍惚一座「アトリエジャマイカ」稽古中

素晴らしいメンバーで、ありがたい。
信頼できる人ばかり。
私にはもったいない。けど離れたくないー

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kokoさん。たった数日で運命が180度変わる役。

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みっちゃん。前回公演の、人間を信じる力のある副館長とは真逆の役。

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ろこちゃん。個人の利益は二の次という思考も活動もワールドワイドな役。

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左、けんちゃん。二枚目だが三枚目の役。恋愛コメディに挑戦。真ん中、えみちゃん。リベラルなアーティストの役。

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ぱんなさん。007とか24に出てきそうな役。やりがいのあるシェイプシフター。

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よしべえさん。いつも損な役回り、優しいお姉ちゃんの役。着物似合い過ぎ。

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勝二君。辛い運命をポジティブに引き受けて生きる役。

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真ん中。あるふさん。24シーズン1のニーナマイヤーズのポジション。これもシェイプシフター。

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左、かっちゃん。保守的で美人な三姉妹の真ん中の役。真ん中、けいちゃん。自由奔放で予言者な三姉妹の末っ子の役。

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そして制作のかじーと、舞台監督の下野君。