悪童日記稽古」カテゴリーアーカイブ

「悪童日記」劇評

山口がアソシエイトアーティストとして活動させていただいているアトリエ劇研さんのウェブサイトに、劇評が掲載されました。感謝です。

こちらからアトリエ劇研の劇評のページに飛ぶことができます。

また、この後発売される雑誌「テアトロ」6月号にも、悪童日記の劇評を掲載していただいております。皆様、ぜひ書店でご覧になってください。

サファリ・P第二回公演「悪童日記」全日程終了しました。

「悪童日記」松山公演が終わりました。これを持って、全ての公演を終了いたしました。ご来場くださった皆様、劇場の皆様、キャスト、スタッフ、そしてご協力いただきました全てのお客様に感謝いたします。本当にありがとうございました。

京都公演、東京公演が無事終了しました!

サファリ・P第二回公演「悪童日記」京都公演、東京公演にご来場くださった全ての皆さま、それから、スタッフ、キャスト、お手伝いしてくださった皆さま、本当にありがとうございました!

残すは松山公演のみとなりました。劇場が小さくなりますので、これから2週間かけて、美術も動きもそのサイズに変更して稽古します。松山でお会いできることを楽しみにしております!

追加公演決定!

サファリ・P第二回公演「悪童日記」追加公演が決定いたしました!

明日20日19時半より、上演時間は1時間となります。
(なお、別の回の前売り券はすべて売り切れておりますが、明日は客席を増席し、少しだけ当日券を出せるかもしれません。詳しくはお問い合わせください)

ご予約、お問い合わせは
safarip.kyoto@gmail.com
まで。お早めにどうぞ。

悪童日記3月13日

この日は、午前中、アトリエ劇研で、8月に公演するサファリ・P第三回公演「財産没収」の記者発表でした。山口は午後から参加しましたが、出演者チームはこの時間帯に精度を上げる稽古をしてくれていました。

お昼から、スタッフを交えすぐに通し稽古です。
午前中の稽古が生きていて、とてもしまった良い作品になりました。

と同時に、今までスルーしてきたと思われる箇所がくっきり浮き上がってきます。

不思議なもので、幾つかの問題点はずっと見えているのです。見えているのに、とりあえず、保留にしていました。恐ろしいことにいつの間にか馴染んでしまっていたのです、それでアリかのようにしてしまっていたのです。

その箇所が、ちゃんと、訂正すべき場所として、見えてくるためには、他の大きな問題がしっかり解決される必要があったようです。

この日は三重から門脇光平君が稽古見学に来てくれました。が、お構いもできず、ひたすら修正作業を行う通し後。

明日も1日、修正して通しすることにして、稽古を終えました。

悪童日記3月11日

この日は、前日の通しを受けて、頭から気になる点を全て、洗い出していきました。
小屋入り前にここまで出来てとても嬉しいです。
そしてやはり、気になる点を修正していくと、とても大きな問題に気がついたりします。

一つ目、オープニングの入り方。
私が、なんとなくこれがいい、と思ってたこと。
それを言う、まっちゃんのモチベーションが、実はとても重要でした。それを伝えてもらうことが。「どういう態度をとって良いのかわからないんです」と聞いて、そこにやっと、ほころびや、滞りがあったことに気がつきました。

違和感は感じていたのです。でも、蓋を開けて目をこじ開けて確認してみたら、その違和感は、思ってた違和感と違った。ここをこの段階で修正できたことは、本当にありがたかったです。だいたいこういうやつは、本番を経て、気がついてしまうので。

そこから怒涛のように、最後のシーンまでさらっていきました。
やはり7時間があっという間に過ぎ去っていきます。

最後あたりで、この後に及んで、私がテキストを追加してきたため、それを新たに振り分けて読みます。何回か読んだ後、私が何も言わないのに、全員がブツブツと覚え始めるの図

そしてそのまま、台本を持たずにそのシーンを試すことになりました。
こんなことは、初めてで、カンパニーというものの良さを、ひしひしと感じました。

いや、大変なことも、辛いことも、きっとこれからもいっぱいあるんだけど、この段になってきたテキストは、その場で覚えてすぐやってみる、という空気が、この10ヶ月で育っていたのは、カンパニーならではの現象のように思います。

日曜はお休みで、月、火の稽古を経ていよいよ、劇場に入ります。
明日は衣装が揃います。
すでに稽古場は、ブラックボックスに近い状態なので、楽しみです。

悪童日記3月10日

今朝は、じうと自転車で銀行に行ってからの稽古でした。
寒いのでつなぎを着せて、背負い、京の街を走ります。
銀行で寝てしまい、そこから芸術センターまでは爆睡でしたが、寒さが心配で、乗らなけりゃよかったと後悔しました。途中、赤ちゃん親衛隊のおばさまに案の定「こんなに寒いのに自転車!」とお叱りの言葉を受けます。素直に反省すると「最近は前にも後ろにも子供乗せて自転車乗ってるお母さんがいる。信じられん!」お怒りの矛先を変えていただきました。

全国に散らばる親衛隊。恐ろしや。

さて今日は、ギアで制作をされているしらとりまなさんが稽古見学に来られました。

まず、双子の性質を表したシーンを返します。以前は双子の性質について述べただけのシーンでしたが、ある時から、父と母の会話をここに挿入することになり、シーンとしての強度が増したものの、出演者がセリフと動きを合わせるのに四苦八苦するという状況が続いていました。

今日、改めて、父を読む日置さんから、視線をどこに定めたらよいかと質問があり、改めて視線について考え、整理したところ、驚くぐらい、シーンが変わりました。

セリフも動きも変わらないのです。ただ、どこを見て喋るかを考えた。
それに準じて多少の動きの変更はあったものの、大きく変わったのは、日置さんと母を読むこうちゃんの心の部分だったのです。それに影響され、高杉さんのセリフも変わります。双子の動きも変わります。

しかも喜ばしいのは、これが、悪童日記に記されている事実外の解釈を含んでいるということです。小説に出てくるセリフしか使っていないのに、読者に任された部分について、私たちの考えをしっかりと提示できるシーンに育ちました。

その後、おばあちゃん家に行くまでのシーンで、壁歩きを復活させました。劇場の問題があったのですが、それがクリアになったためです。

それから、祖母が墓場に行くシーンの平台ワークについて、細かい打ち合わせと、ズレを修正していきます。同じく台所のシーンも、ずれの修正とタイミングの共有、動きの変更などを重ねていきます。

兎っ子のシーンについても平台ワークを精査し、さらにこうちゃんの動きについても再考しました。アイディアが浮かんだ時には「すごくいい」と思ったシーンも、他のシーンが改善されていくにつれ、色褪せて行きます。それがただ、見慣れただけなのか、それとももっと良いものが他にあるのか、見極めながら、改善していきます。

後半、ジープのシーン、将校のシーン、女中の風呂タイムのシーン、ラスト、国境越えの平台ワークなどを同じように精査して、通しをしました。

割と力強いシーンが続くので、少し悪ふざけのできるシーンが作りたかったのですが、今日やっと、5人の男性陣が女中の風呂タイム、将校のムチ打ちタイムで息を合わせてふざけてくれました。こういうのは、こちらが希望するだけでは実現しないものです。「悪ふざけしろ!」ってありえない命令です。メンバーがその気になり、その空気を共有できて初めて、そこに到達です。

今日の通しではそれが観れて、出演者全員のモチベーションが揃った感じがして、嬉しかったです。

悪童日記3月9日

いろんなことを病的に忘れる時期です。
もともとあまり物覚えが良くないのに、本番が近づくと、脳が拒否するのでしょうか。稽古以外の大切なことを片っ端から忘れていきます。

さて9日は、京大の学生劇団ケッペキの学生さんたちが見学に来られました。

午前中は、双子が母に連れられ、おばあちゃんちにいくシーン。双子が、祖父の墓に行くおばあちゃんの後をつけるシーン。そして、ラスト、終戦から、ユダヤ人の生き残りたちの会話、そしてお父さんの国境越えまでのところの、精度を上げる稽古をしました。

午後からは、もう一度、双子がおばあちゃんちにいくシーンと、母がジープで双子を迎えにくるシーンの稽古です。

いよいよ精度を上げるための時間到来です。
劇的なアイディアでシーンが思いつく、変わっていくというダイナミズムはほぼ無くなりますが、細かいところを少しずつ抑えていって、全体の質を上げていきます。なんとなく、スルーしてしまっている小さな違和感を、徹底的にあぶり出して。

例えば、おばあちゃん家への道のりでは、ずっと、壁を使う動きをしていたのですが、いつからか、壁を使わずに動くようになり、少し動きが緩慢になっていました。壁を使わないならば、使った時と同じぐらいの面白さでその部分を構成したいと考え、新たに動きを付け加えてもらいます。

最後は、この芝居の3分の1ぐらいを、通しました。高杉さんがお休みだったので、演出助手の下野くんが代役をしてくれます。下野くん、徹底的に重要な動きを抑えて参加してくれます。今回は、美術食ってくれたり、稽古場を黒くしてくれたり、とにかくマメに働いてくれる、有能な人です。

稽古の後は、まっちゃんと達矢さんと3人で、オープニングとラストの双子のダンスについて、語ります。新たなフリを作ってもらって、見せてもらったり、精度を上げる作業をしたり。

音響のキョロちゃんとも打ち合わせをしました。
 

悪童日記3月8日

今日は、じうの注射のために朝っぱらから病院へ行きました。確定申告も終え一安心。と思っていたら、8ヶ月検診を飛ばす。

母親失格やー。
でも、離乳食は、上手に作れるようになってきたんです、というか、じうが固形物を食べれるようになってきました。ありがたいです。

あまりに稽古のことが大きすぎて、いろんなことを忘れ、失敗します。

7日は稽古が休みだったので、8日、皆さん少し回復した状態で稽古が始まりました。
なんせ連日朝から夕方まで稽古をしているのです。
たまには休まなくてはですね。

まずは、双子がおばあちゃんちへ行く道のりの動きの確認。
そこから戦争を彷彿とさせる行進のシーンへの切り替えをリニューアルしました。

それから、おばあちゃん家の中の様子、新しい生活の厳しさを知るシーンの、目的を絞り込みました。
これまでは、ダンスが面白いし、セリフもいいので、そのコラボがあれば良いと思ってました。でも他のシーンがよくなるにつれ、実はここのダンスとセリフ、もう少し合わせられるんじゃないかと欲が出てきたのです。

それはとても正解で、
私も喋りながら、このシーンの真の目的を知りました。
ここは、ハリウッド脚本術で言えば(言うなよ)、森へ分けいる、と言われるシーンなのです。
主人公がいよいよ新しいところに飛び込み、様子が違うことに気がついて用心深くなる、という、あれです。

そういう役割を担っているこのシーン。
そこにフォーカスして、動きをチェンジしていきます。

セリフや、振り返るタイミングなど、細かい合わせをすることで、その目的の焦点を絞り込んでいきます。

それからもう一度、冬のシーンについて。
ここはなかなか、これだ!というものが見つかりません。
もしかしたら新しいものなんてなくて、すでにあるものの見せ方をマイナーチェンジするだけでいいのかも。まだまだ答えが見つかりません。

その他、細々した修正を加えて、
16時より通し2回目を行いました。
1回目より落ち着いてできたものの、新たなトラブルも多数発生。
まだまだ改善は続きます。

悪童日記3月6日

6日の日記を、7日の今日、書いております。
今日は稽古がお休みで、シニア劇団が3月最後の稽古となりました。
私は稽古後、確定申告を青木さんのヘルプによって無事準備し終え、その他気になっていた事務作業も少し進んで、晴れ晴れとした気持ちでおります。

また明日から、本番に向けてのラストスパートです。
さて、6日。オープニングとラストのダンスをどう扱うか、という話し合いから始まりました。

ダンス、ということを割と、生きる、という風にとらえてまして、それはもう、ものすごく、ありふれた捉え方ではあるのですが、この、双子が生きる、ということを、どういう風にダンスで表すか。それは、オープニングとラストで、どう違うのか。そこが話し合いの焦点です。

この「悪童日記」という小説は、オープニングとラストで、双子の心情がまるで違う。
そのことは、アクションに、文体に、直結しています。

それをダンスでどう表現するのか。
まさに、この作品の、心臓部分なのです。

そしてサファリ・Pという集団が、ダンスをどう捉えているか、ということにも繋がる気がしています。

どこかで使えたらいいなと思って作ってもらっていた振り付けが二人にあったので、それを組み入れることにして、次に移ります。

ジープのシーンです。
ここは、先日セリフを差し替えたばかりなので、もう一度セリフを入れた状態で精度を上げていきます。
母をやるこうちゃんのセリフを、どんどん、どんどん強いものにして行ってもらいます。
あんなに恋い焦がれていたはずの母の元に、もう戻りたくない双子と、夫以外の男性との間に子供を作っても、それでも息子たちを手放したくない母の攻防戦です。

もし赤子がいなかったら、双子はついて行ったのでしょうか。

そして、ジープのシーンから、「ドイツ人」という支配者を描くシーンに移行するそのつなぎを、作り直しました。小説には「こんな戦争、誰も望んでなかったよ」と酒場でおじさんがつぶやくシーンがあるのですが、まさに兵士たちは、本当は嫌だと言いながら、手を奪われ、足を奪われ、命を奪われていきます。

そういう幾多もの兵士の犠牲の上に、支配者は立っています。

とても力強い行進で始まるシーンとしていたのですが、
ジープのシーンが想像以上に力強いシーンとなったので、高杉氏の提案で、真逆の空気のシーンにしてみました。

それがまたとても面白いのです。

そこから、将校のマゾヒシズムのシーンを経て、双子が神を冒涜する、というシーンを作り直します。
私は、双子が、神に成り代わって所業を行う姿を、「いたずら」のイメージで考えていましたが、神をやる日置さんを「将校」と見立てたすぐ後なので、齟齬が生じるのではないか、と高杉さんに指摘を受けます。

これです。

私はわかってるんだけど、お客さんには伝わらないこと。
ここの差をはっきりさせる必要があります。

確かに、「将校が、リセットされて神になる」というよりは「将校の鞭打たれる姿が、そのうち神のようにも見えてきて」が正解です。

であれば、将校と心底愛し合っていたように見える双子は、日置さんを台座からいたずらに突き落とすべきではない。

でもこのシーンではどうしても、日置さんに台座から降りてもらわねばならない。
そこで、まずは双子が将校によって抱きしめられ、その後、双子が抱えて日置さんを下に降ろすことにはなりましたが、
ここはもう少し、考える必要があると感じました。

この一連の通しの後で、京都新聞の長谷川さんが、稽古場取材に来てくださいました。
少し取材をしていただいて、稽古をご覧いただきます。
作品の中で演劇とダンスはどういう住み分けがされているんですか、と聞かれますが、全く住み分けていないので、その様子をご覧いただきました。

その後、オープニングで、「双子は絶対に離れられないのだ」と説明するシーンに、他のシーンでボツになった父母のセリフを挿入する稽古です。動きとセリフがいきなり同時に進行することによって、セリフか動き、どちらかが止まってしまいます。そのため、繰り返しの稽古が必要になりました。でもこのセリフをここにいれることで、飛躍的にシーンが見やすくなりました。

最後は、「冬」のシーンを再度、練り直します。
先日の通しで、まったく形にならなかったシーンです。
あれやこれやとアイディアを出すのですが、なかなか良いアイディアが出てきません。
暫定で私のアイディアを採用しましたが、ここもやはり、もう少しアイディアが必要な気がしています。

その後、冬から続くユダヤ人のシーンのキャストの立ち位置を確認し直して、稽古を終えました。

毎日、必ず行き詰まるんですが、その行き詰まりで予想だにしなかった良いシーンが仕上がったり、とあるシーンがよくなると、前はよかったシーンもさらに精度を上げる必要が出てきたりして、作品自体が、全体的に、徐々に、徐々に、よくなっていくのがわかります。

まだまだできることはたくさんあります。
落ち着いて、一つずつ、潰していこうと思います。